忍者ブログ
ここは企画専用ブログです。 トモの参加している企画の子の記事があります。 私通、電波、CP発言(NLBL)ありますので苦手な方は注意して下さい。 企画の中には自宅企画も入っています。 まず【はじめに】をお読み下さい。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



くろりでぃの夏の暑い日のお話
つづきからどうぞ


 

「あらおはよう」

 


「んーおはよー」


眠そうな目をこすりながらぽてぽて、と歩く黒色
大きな身体に似合わず幼いそれは目をぐしぐし、とこすると私に向かって笑いかけた

そしてはっとしたように私に

 


「今日りでぃおやすみなんだよね!?」


という

 

一気に眠気が飛んだかのように
しっぽをふって
(そんなに嬉しいのかしら、よくわからないわね)


にこにこと相変わらず笑うクローに なんで? と聞くと
さも嬉しそうに

 

「だってりでぃといっしょにいられるもん!」


と言った。

 

学校に行っている時はもちろん教室には入れない
だからいつも別の場所で待っているわけで


「そう」

 

と一言いうと出来たての朝食をテーブルに置いた


「ねーねーどっかいこーよ」

「どこかって・・・どこに?」


「どこでもいー!りでぃといっしょならどこでもいーよ!」


にこにこ、と笑いながら、目玉焼きをほおばりながら
(割れた黄身が流れ出してぽたぽたたれてる、ほら口にもついてるわよ)


今日は晴天出かけるにはいい日和だと思う
たまにはいいか、と自分に言って


「じゃあ散歩でもしましょうか」

「うん!!」


そういうと目の前の黒色は残りの目玉焼きとベーコンをほおりこんだ
・・・そんなに急いで食べなくても散歩は逃げないのに

 


「はやくいこー!!」

「はいはいわかったからちょっと待ちなさい」

「うーはやくー!!」

じたじた、と玄関で足踏みをしているおおきな子供
今日はあつくなると天気予報で言っていたので日傘を持っていく事にしよう
(仮想世界なのにちゃんと天気があるなんてなんだか面白い話だけれど)

かた、と日傘を靴箱に立てかけて靴をはく。
とんとん、きゅ

「よしいこー!!」

「え、ちょ・・・まっ・・・・!!!」


靴を履いた途端腕をつかまれて、ひっぱられて、走って
がしゃん、と扉が勢いよく閉まる音
みるみる扉は遠くなって

あ、日傘
と頭の端でそんな事を思ってみたり
まぁ、いいか、なんてすぐに納得したり

何より 目の前にいる黒色がとても嬉しそうだったから
それでいいか、と納得してしまった。

 


「あつーい!」

 

空を仰ぎ見て一言
じりじりと音が聞こえてきそうな程の暑さ
走って出てきたから余計に暑くて、汗がじわりじわりと
服をぬらしていくのが分かった。

 

「アイス」


ぽそり、と一言


「え?」

すかさず聞き返す一言。

 

「アイスたべたーい!!!」


小さく呟いた声をその耳は拾って
はいはい、と言えばまた嬉しそうに笑って
・・・本当によく笑う子だこと

 

ここからアイスが売っているお店までは結構距離があって
でも横を歩く黒色はそんな事苦でもなんでもないような雰囲気で
むしろそれを楽しんでいるように

ぴょこぴょこ とゆれる耳、しっぽ

いつもゆるりと笑うくち

今日は一段と楽しそうで



どうしてなのか、なんて考えるとなんだか恥ずかしいから
やめておくことにして






「わーおいしそー!おれどれにしよっかなー!!」

アイスを見ながらはしゃぐ黒色
本当に大きな子供ね なんて思いながら自分もアイスの入ったクーラーに手をあてると
ひんやりと心地いい冷たさが手のひらに広がった。

「んーと、 と」




「これ!これにする!」




と指差した先にはオレンジ色

 

「そう、じゃあそれにしましょう」


「りでぃはいいの?」


「甘いものはあんまり得意じゃないの」


「そうなんだーおいしーのになー」

なんて口を少しだけ尖らせて
そんな彼をよそめにクーラーの中からオレンジ色をとりだした

 

 

 


生ぬるい風が頬を撫でていく
隣の黒色はアイスに夢中だ
暑さで溶けていくオレンジ色をこぼさないように口の中に入れて
おいしー、と嬉しそうに、うれしそうに言って

 

あつい


なんだか ふらふら して

日差しにあたりすぎたかしら

あぁそういえば


日傘

 

わすれていたのね

 

そうだったわ

 

そう

 

 

 

「!?りでぃ!?!??」

 

遠くで、でもきっと近くで声がした
頭がぐるぐるして何も考えられない、あつい
土のにおいがした 少しだけ頬が痛かった


「りでぃ!!」

叫び声に似たそれは私のそばに来て
あぁ、アイスが落ちてしまったわよ、クローのアイスが・・・落ちて


ふわり

 

身体が軽くなった気がした
きっと気がしたんじゃなくて

でもそんな事も考えられないくらいで

瞼を閉じればそのまま そのまま くらい瞼の裏の色にとけていった

 

 

 

 

 

「……ん」

ぱちり、目が覚めると目の前には見慣れた天井
額がつめたい、きもちい

 


「アルフレッド?」

 


ベッドの上、私のちょうど手の辺りで眠っていたその子に声をかけて
なにか言いかけたその子に私は言う

「こんな所で寝ちゃだめじゃない、ちゃんとベッドで寝ないと駄目よ」

ただでさえ身体が弱いのに、こんなところで寝ていたら駄目
ちゃんとベッドで寝ないと、駄目

 

ねぇ どうしてここで寝ているの?

 

私を心配してくれていたの?

 


優しいのね、あなたは やっぱり

 

 


「どうしたの?眠れないの?」

 

 


動こうとしない姿をみて一言
やさしく、やさしく頭をなでる

 

眠れないのなら、私が隣にいてあげるから

 


「お姉ちゃんが側にいるから、大丈夫、よ」

 


ぎゅう、とその体を抱きしめて
あたたかい、きっと眠いのね、わたしも ねむい わ

 


「アルフレッド…」

 

 

このあたたかさに溶けていきたい

 


このぬくもりを抱いて このまま で

 

 

 

 

 


スゥ

 

静かな寝息を立てて彼女はまた眠りについてしまった。
抱いていた腕は力なく布団の上に転がる
抱かれていた黒色はゆっくりとその体を横に倒した

 

「りでぃ」

 

彼女の名を呼ぶ、もちろん彼女は答えない
届くことがなかったその声は空気の中に溶けていった。









-------------------
オチなしですみませんでも書きたかった!!
熱中症で倒れたりでぃがくろたんを弟だと思って話しかけるっていうそういう・・・
りでぃはたまにくろたんと弟がだぶって見えることがありそうで
今回はそれがもう完全にだぶって見えて・・・っていう?感じで

 

PR
この記事にコメントする
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
 + HOME +    出会い漫画   >>
Admin + Write
カウンター
プロフィール
トモ

【参加中企画】
・ライダー企画
・メイド・執事喫茶企画
・グリモワール企画
・劇場企画
・庭師企画
・バンド企画
・トレジャーハンター企画
・魔道師企画
・戦闘学校企画
・ハロウィン企画
・甲子園企画
・青春企画
・妖怪企画
・ハンター企画
・忍企画

・自宅企画【FMI

自宅HP自宅ブログ
携帯ブログメール
最新CM
ブログ内検索
photo by 7s
忍者ブログ [PR]